2013年7月11日木曜日

風疹予防接種について、参議院選挙の東京選挙区で立候補している候補者に質問しました。

さて、今回の参議院議員選挙は、初めてのネット選挙です。有権者と候補者が、選挙期間中にネットで意見を交換できるというのは、画期的だと思います。テレビや新聞で話題になる「大きな争点」についてはともかく、案外自分の気になっている政策については、どの候補者がどのように考えているのか、わからないですからね。自分の気になっている政策について、ネットで質問してみれば分かるかもしれません。

僕が目下一番気になっている政策は、政府の風疹対策なんです。
ご存知のように、現在、日本では、風疹が大流行しています。風疹は、それ自体の症状はたいしたものではありません。せいぜい2〜3日発熱と発疹が出て、あとは、勝手に治癒してしまう軽症の感染症(そのため、「3日はしか」とも呼ばれています)です。ただ、妊婦に感染すると、生まれてくる子供に障害が起こることがあるのですね。

この風疹、現実的な対策は、予防接種以外にはほとんどありません。しかし、ご存知の通り、日本国内では風疹のワクチンは極端に不足しています。

多くの現場の医師が、絶対にワクチンの輸入が必要な状況だと考えているのですが、目下、政府はワクチン輸入には否定的です。

そういうわけで、facebookを使って僕の住んでいる東京選挙区から立候補している候補者に、風疹輸入ワクチンについて質問を投げて見ました。

何人かの候補者に、質問を投げてみたのですが、今のところ、返事があったのは、そのうち一人、民主党から立候補している鈴木寛候補だけです。

以下は、僕の投げた質問です。

私は東京選挙区の有権者で、東京都内で医師をしている高田と申します。
鈴木寛候補の風疹予防接種に関する政策についての見解をお伺いしたく、投稿させて頂きます。

報道等でご存知と思いますが、現在、全国的に風疹が大流行しており、その合併症としての先天性風疹症候群による重い障害を負った赤ちゃんが次々に生まれるという不幸な状況が起きています。

風疹の流行を食い止め、赤ちゃんがこれ以上重い障害に苦しまずに生まれてくるためには,国民広くに風疹予防接種を行うことが、ほぼ唯一の効果が見込める対策と考えております。

しかし国産の風疹ワクチンは生産が追付かず、不足している状況であり、目下の流行を食い止められる状況に全くなっていません。

この状況を打破するには国が、海外製ワクチンを早期に緊急輸入するしかないと我々現場の医師は考えておりますが、残念ながら厚生労働省にその気配は伺えません。

それどころか、田村厚生労働大臣に至っては「風疹患者はまだ1万人に過ぎない」と記者会見で発言して,医療関係者と先天性風疹症候群被害者はおろか、全世界の公衆衛生担当者の失望を買いました.
風疹大流行を受けてWHO(世界保健機構)や米国の衛生機関CDCは「日本は風疹が大流行しているからワクチン接種していない人は渡航すべきではない」と強く警告を受けている始末です。詳しくは、下記のリンクをご参照ください。
http://www.nytimes.com/2013/06/25/health/rubella-epidemics-in-japan-and-poland.html?smid=fb-share&_r=0http://www.qlifepro.com/news/20130628/wary-us-cdc-japan-rubella-prevention-measures-deficiencies-and-attention-your-travel-to-japans-call-for.htmlこの状況の原因は風疹をはじめとする予防接種政策全般の不作為によるものです。

そこで鈴木候補にお聞きします。
この現状について、ご当選の暁にはどのような政策を実行していただけますか?
特に風疹の「排除」に向けて海外製ワクチンの緊急輸入も含めてどのような抜本的な政策を実行していただけますか?東京選挙区の有権者として、率直にお尋ね申し上げます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

先日、これに対する回答がfacebookのノートでかえってきました。

【すずきかんが答えます】風疹予防接種について医師からのご質問

【回答】高田様、ご質問ありがとうございました。
今回の風しんの流行に関して、多くの先天性風しん症候群(CRS)のお子さんが生まれていること、およびその背景には、表に出ない、風しん感染を理由としての妊娠中絶の増加という、悲しい事態が起きています。ワクチンで予防可能な感染症で、このような事態を招いたことを、立法府の一員として、大変申し訳なく感じています。

2009年の新型インフルエンザ流行時に、私は民主党政権の一員として、海外からのワクチンを特例承認として、迅速に輸入すべく奔走した経験があります。今回の風しん流行を抑え、今後は二度とこのような大流行を起こさないためには、ワクチン接種の気運が高まっている現在において、特例承認もしくは、すでに提出されて何年も経っている MMRII の審査を速める、などの方法にて、速やかにワクチンを提供することが必要と考えています。

ワクチン政策に関しては、従来の厚労省下の検討会でなく、米国の Advisory Committee of Immunization Practice; ACIP のように、独立した諮問機関が必要であり、科学的な議論によってワクチン実施の是非が決定されるべきです。現在、厚労省は厚生科学審議会などの、従来のシステムに、このような機能を持たせることを考えているようですが、それでは不十分と考えています。

一方で、社会を守るためのワクチンで、一部の方が不幸にして副反応に遭われた際は、十分に救済してあげることが必要です。日本では補償が不十分なため、民事訴訟での賠償請求が行われています。これは、被害者にとってはハードルが高いことですし、企業側にとって訴訟リスクが大きいことは、ワクチン開発が進まない一因です。米国の Vaccine Injury Compensation Program; VICP など、見倣うべきと考えております。

2013年7月8日 鈴木寛
まず、本当に回答が帰ってきたことに驚きました。実は、あまり返事は期待していなかったのです。
議員というのは、こういった細かい政策一つ一つについて専門家というわけではありませんし、この質問は、いいかげんに回答するにはデリケートな質問です。変な答えをして、攻撃される可能性を考えると、ダンマリを決め込む可能性が高いと思っていました。
たとえ返事がなくとも、候補者に、自分のような人間の声を伝えるだけでも有意義であろうと考えて質問したのですが、嬉しい誤算でした。

内容については、質問した風疹ワクチンの輸入については記載はありません。しかし、MMRIIの審査の話しや、日本版ACIPの話など、ちょっと普通の人は知らない話しも触れられていて、この人が、この問題に熱心であることがよくわかりました(もちろん、優秀なブレーンもいるのでしょう)。

残念ながら、この人、現在、野党なんですよね。
感染症予防のような分野は、党派を超えて協力しあって議論できる分野ではないかと思っています。
期待しています。

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