2016年6月10日金曜日

親にはわからない「小学生の悩み事」に答えてみる。その1

数日前に、こういう記事がありました。

親にはわからない「小学生の悩み事」ランキング10

悩みのベスト3はこういうもの。
1,なぜ、勉強しなくてはならないか
2,友だちができない
3,死んだあとどうなるのか

うん、わかりますよ。私も、小学生の頃、よく悩みました。死んだらどうなるのか、不安になって夜寝られなくなることも何度もありましたし、当時は「なんで勉強しなくてはならないのか」も、よくわからなかったですし。

こういう疑問に、企業の経営者や役員が答えるという内容なんですが、なんでしょう。
質問に対する答えがグチャグチャというか、答えられていないというか、はぐらかしているだけというか、現在の自分の主張をぶつけているだけというか、とにかくひどいんです。

というわけで、私なりに、もし、子供に、こういうことを聞かれたらどう答えるか、考えてみました。
今日は、まず、一番目の質問に答えてみようと思います。

1,なぜ、勉強しなくてはならないのか

元記事を読むと、この質問に「勉強したくない奴はしなくていい、自己責任だ。」とかなんか、変なことを書いている人もいたけれど、たぶん、この質問を聞いているあなたは、勉強したくないからこんな質問しているってわけじゃあないと思う。まったく勉強していない人、まったく勉強したくない人は、こんな質問するわけがないからね。

私自身、子供の時、勉強しなさいっていう大人は大嫌いだった。私は、勉強をするのは嫌いじゃなかったけれど、でも、何のために勉強しているんだろうってよく考えた。

小学生の頃は、周りの大人にも、「何のために勉強するのか」ってよく聞いた。 でも、聞いても、たいてい、満足できる答えは帰ってこなかった。何のために勉強するのか、大人に聞いたら、たいていは、いい高校に入るためだって言われた。じゃあ、何のためにいい高校に入るの?って聞いたら、いい大学に入るためだ。なんのためにいい大学に?いい会社に入るためだ。それから、勉強してる人は、いい会社で、いい給料もらって、それから出世して。。。
そういうことをいう大人がいっぱいいたけれど、でも、全く納得できなかった。だって、そんなの、小学生の私にはものすごく遠い先の話に思えたし、それに、そんな頑張っていい会社に入ったって、どうせ、結局、いずれ同じように死ぬんだと思ったからね。

なので、今日は、私が「なぜ勉強するのか」という質問についてどう考えているか、書いてみようと思う(ただし、この質問の答えそのものは書けないかもしれない)。

まず第一に、何のために勉強するにしても、とりあえず、あなたたちは勉強はしておいたほうがいいと思う。もちろん、あなたたち子供だけじゃなくて、私達大人も、もっともっと勉強しておいたほうがいい。それから、あなたたちが勉強した方がいい理由なんだけれど、それは、これから、あなたたちが勉強して、それからあなたたちが自分で考えるんだよ。

勉強の理由は勉強してからわかるよっていう言い方は納得しにくいかもしれない。普通は、行動する前に理由があるものだから。

普通は、行動の前に理由がある。お腹がすいてごはんを食べたくなるのはごはんを食べる前だし、普通は、友達に悪口を言っちゃう前に、友達にムカついて悪口言いたくなるから、そうするんだ。

でも、案外、この順番が逆になることも多いんだ。そういうことがあることもわかっておいたほうがいい。

たとえば、あなたは、「何のために自分が生きているんだろう」って考えたことがあるかもしれない。そういうことを考えたことのある人は、なんのために生きるのかわかるより前に、生まれてきてしまったんだ。あるいは、あなた達の中に、「なぜ、人を殺してはいけないか」って考えたことのある人も多いかもしれない。でも、そういう人だって、「自分には、なぜ人を殺してはいけないかまだわからないから、今は人を殺してもいい」なんて考えないだろう。

世の中で、一番平凡なことや大事なことっていうのは、実は、理由がわかる前にスタートすることが多い。
なんのために生きるのかがわかってから生まれてくる人はいない。むしろ、逆で、なんのために生きるのか、わかるようになるために生きるんだと言ってもいいくらいだと思う。
で、「なぜ勉強をするのか」も、そういう種類の話なんだ。勉強はした方がいい。そして、もし、あなたがしっかりと勉強していけば、やがて、なんのために勉強するのかについての自分なりの答えもみつかるかもしれない。勉強ってのは、そういうものだ。それは、案外楽しいことだと思う。

ちなみに、もし、あなたが勉強しなかったら。
勉強しないのは自己責任だって書いている人もいたけれど、私は、そうは思わない。私は、子供が勉強しなくちゃいけないのと同じように、大人は、自分の勉強をしながら、同時に、子どもたちに勉強したいと思わせなきゃいけないんだと思うからだ。だから、もし、あなたが勉強しなかったなら、責任を取らなくちゃいけないのは、わたしたちなんだ。

つづきは、別のエントリーで、明日にでも書きます。

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