2017年9月14日木曜日

子供の勉強のつまづいたところを見つけるのは、大人が思っているよりずっと難しいよ、というお話。

誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類したというエントリーを見ました。

算数/数学の、つまずきやすいポイントが一覧になっています。
私自身は、ここに出ているようなポイントにつまずいたことは一度もありませんでした。しかし、なるほど、これを見ると、たしかに、誤解しやすい、また、一度誤解すると、丁寧に説明してもらわないとなかなか自力で抜け出すのは困難な落とし穴ばかりのように思えます。
誤解している子どもたち本人は、どう間違えているか、自分で言語化して説明することは難しいでしょう。子供を教えている教師たちにも、なかなか、子供がどのように誤解しているか、推測することも、また、誤解を解くように説明することも難しいのではないでしょうか。

そんなことを考えているうちに、ふっと思い出しました。
私、算数/数学では、あまり誤解したことがないのですが、他の分野では、ひどい誤解をして、おかげで、勉強についていけなったことが、何度かありました。
その話をしましょう。

小学校の一年生から二年生の頃、私は、何度教えられても「ひらがな」を覚えられませんでした。

それは、今から考えると、ひらがなの1文字が、おおむね日本語の1音節に対応するという、音節文字というコンセプトを理解できなかった(つまり、1文字で5音節くらいの単語を表したり、5文字くらいで1音節の発音を表すひらがなも存在すると思い込んでいた)からだったと思うのです。

でも、そういう誤解をしているということを、当時、自分では言語化して説明できませんでしたし、学校の先生も、その誤解を分かってもくれませんでしたし、もちろん、わかりませんから修正もしてくれませんでした。

で、なんで、私が、こういうおかしな誤解をしたのかと思い出してみますと、小学校に入学した頃、私の住んでいたところの近くに、大きなマルハの看板があって、当時のマルハのロゴ、ひらがなの「は」をマルで囲ったやつが、大きく書かれていたんです。
私は、周囲の大人の会話から、あの看板にかかれている「は」をマルで囲ったマークは、「ひらがな」の一種であると思っていました。また、あのマークは、「マルハ」と読むのだと思っていたのです。

そして、一文字で「マルハ」と読む「ひらがな」があるのであれば、一文字で、「大洋ホエールズ」を表す「ひらがな」も、当然あるものだと(この球団が、マルハとなんらかの関係がある球団だというのは、すでに当時の私は知っていました)思っていましたし、そういう連想から、当時、私は、アルファベットのHとTを組み合わせた阪神タイガーズのマークは、一文字で、「阪神タイガーズ」と読む「ひらがな」なのだとも思っていました。
それと同じように、1文字で私の名前を表す「ひらがな」もあっても良いと思っていました。きっと、マルハのような会社が自分たちの会社を表す、一文字の「ひらがな」を決めているように、人間も、大人になったら、自分のシンボルになる「ひらがな」を決めるのだろうと思っていました。なぜか、私の両親は、自分を表す「ひらがな」を決めていないようでしたが、当時の私は、そこを疑問に思ったことはなかったように思います。
そうして、ひらがなに関する壮大な誤解にもとづいて、私は、私にしか読めない不可解な「ひらがな大系」を作り上げていました。そのおかげで、学校で習うひらがなは、全く覚えられませんでした。

「ひらがなというのは、音節文字の一種であって、、」というような説明を誰かがしてくれたら、こういう誤解は、簡単に解消されたのでしょうが、普通、小学校の一年生に、そういうややこしい説明はしませんよね。

どのように、誤解が解けたのか、今ではよく覚えていません。
気がついたら、読めも書けもしなかったひらがなは、全部書けるようになっていました。
学校の授業で、漢字を教え始めて、そのときに、教師が「漢字」と「ひらがな」がどう違うかを教壇の上で説明していたことは鮮明に覚えています。たぶん、学校で漢字の勉強がはじまったことが、私のひらがなに対する誤解を解くきっかけになったような気がしています。

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